大会前の激動ストーリー
深谷圭佑の決断と、男をリスペクトするプレジデント
トライアウトを勝ち抜き、ムラッシュFC常設メンバーとなったGK深谷圭佑。しかしブラジル大会の期間中に妻が第1子の出産を控えており、苦渋の決断としてブラジル遠征の不参加をプレジデントの加藤純一に直接伝えた。
「一番大事にしなければいけないのは家族だなと思ってるので」
そう語る深谷に対し、加藤純一は即座に肯定した。
「本来家族より大事なものって存在しないから」
「その男の判断を僕は尊重できるんで問題ないですよ」
チームの絶対的守護神の離脱という大ピンチにも関わらず、個人の人生と家族を最優先にする加藤純一の優しさと、涙ながらにチームを応援する深谷の絆が表れた場面となった。
亡き両親へ捧ぐ。箱崎裕也の「ヒーロー」になる決意
ムラッシュFC常設メンバーに選ばれた箱崎裕也が、自身の壮絶な生い立ちと大会にかける想いを告白した。
小学5年生の時に父親を事故で亡くし、母子家庭で育った彼は、2年前には母親も亡くして両親を失っていた。
「親が亡くなったタイミングで、人生1度きりやし、絶対後悔したらあかんなって思ったんです」
成人式を控える妹や弟たちのためにも「俺のお兄ちゃんすごいんよって言ってくれるようなお兄ちゃんになろう」と、家族のヒーローになることを誓い、ブラジルへの切符を掴み取った。
8年ぶりの親子の会話。横山航河を繋いだキングスリーグ
ブラジルでの激闘
第1戦・アメリカ戦:アジアの誇りを傷つけられた怒り
初戦のアメリカ戦で敗北を喫した直後のロッカールーム。加藤純一は選手たちに向け、激しく語りかけた。
「俺が一番悔しかったのは負けたことじゃなくて、みんながこの程度の選手だと思われたことが何よりも悔しくて」
さらに「脳みそのリミッター外さなきゃ勝てない」「120%の力出さないと本当に勝てないから」と、遠慮がちな選手たちの姿勢を厳しく叱責。地球の裏側まで来て生半可なプレーを許さないという本気の熱量を見せつけた。
「偽りの調和はいらない」深夜の緊急ミーティング
第2戦・アルゼンチン戦:失敗を恐れないプレジデントの宣言
大激闘の末、プレジデントPKを蹴ることになった加藤純一。しかし相手キーパーに読まれて失敗。チームは敗北してしまった。
しかし試合後のロッカールームで加藤は宣言した。
「俺がPK外して…でもお前ら、絶対謝んない。次絶対俺決めるから、俺は絶対謝んないぞ」
落ち込む暇があるなら次に向かえという姿勢を身をもって示し、「お前らは今日みたいにやれば絶対結果ついてくるから、俺を信じろ」とチームを鼓舞し続けた。
自らの大きなミスを前にしても絶対に下を向かず、批判を恐れずに次も自分が蹴ると宣言するメンタル。リーダーとしての圧倒的なカリスマ性が光った場面となった。
第3戦・ドイツ戦前:闘莉王からの魂のメッセージ
アルゼンチン戦に現地で熱い檄を飛ばした元日本代表の田中マルクス闘莉王が、ドイツ戦前の練習にチームに合流した。
「ワールドカップってこの2文字がつくだけで燃えない人はもうここに行っちゃいけない」
「勝つか負けるか、これで自分が男か男じゃないかっていうのが決まってしまう最後のチャンス」
本物の「日本代表」として世界と戦ってきたレジェンドだからこそ発せられる、重みと気迫のある言葉。選手たちの覚悟がさらに一段階引き上げられた瞬間だった。
敗北の涙と、最高峰の熱量で得た「負けじゃなく勝ちの途中」
3連敗となり、無念のグループリーグ敗退が決定。ロッカールームでは宮下豪也や縣翔平ら選手たちが「実力不足」「前線の責任」と涙ながらに悔しさを吐露した。
そんな彼らに対し、加藤純一は慰労の言葉をかけた。
「俺と同じ熱量で戦ってくれてありがとう。マジで今回のメンバーは頼もしかった」
「俺あんまり人生負けたことないから、これだけ準備して負けてしまうっていうのはスポーツの恐ろしいところ」
「お前らみたいな熱量で生きてるやつがあんまいないから。日頃からやっていきましょう」
全力を出し切ったからこそ流れる本気の涙と、結果は伴わなくとも得られた一生モノの経験と絆。「キングスリーグは人生が変わる場所」であることを証明するような、美しくも切ないラストシーンとなった。
そしてこの敗北が、後の常設チーム完全リセット・大規模セレクションへとつながっていく。



















